ANYZ

ワークスペースに”間”をつくるサウンド

Year

2025

Category

Offices

Place

Nishi-Shimbashi, Tokyo

時代に合わせた働き方に寄り添う、
フレキシブルなワークスペース「ANYZ」

SOUND COUTUREは、増上寺や芝公園に囲まれた御成門郵船ビルティングの2F〜5Fに新設されたシェアオフィスANYZのサウンドデザインを担当しました。
ANYZは「anyone, anywork, anystyle Accelerate in ANYZ」をテーマに、感度の高いビジネスパーソンの多様化する働き方に寄り添ったワークスペースを提案するシェアオフィスです。
都心部を中心に遊休不動産を再生し、クリエイティブワーカー向けのオフィスや
複合施設を企画・運営する、株式会社リアルゲイト(以下リアルゲイト)が手がけました。

“The Harmony Between Us”

”机のあるところは仕事の場所”、”ソファのあるところは休憩の場所”というような、これまで当たり前とされてきたワークスペースは、感度の高い現代のビジネスパーソンからは、モチベーションの上がらない前時代的な空間と認識されることが多くなりました。それに対して、リアルゲイトが提案するのは、彼らの働き方に寄り添う自由でフレキシブルなワークスペースです。その価値を体現するために、SOUND COUTUREは、人と人、空間と空間、わたしとあなたをなめらかにつなぐ「Between=間」をテーマにしたサウンドを開発しました。

働き心地を最大化する音のフォーミュラ

ANYZは、ソーシャルラウンジ、バッファラウンジ、ワークラウンジ、ガーデンの4つの空間で構成されています。SOUNDCOUTUREは、空間と空間をなめらかにつなげる鍵として、はじめに、人が働くときのモードを<Relax / Communication / Creative / Focus>と設定し、それぞれのモードに紐づいた4つの基本となるサウンドエレメントを開発しました。各空間のサウンドは、4つのエレメントの組み合わせで構成されています。それによって、それぞれの空間にフィットする個性を持たせながらも4つの空間をシームレスにつなぐ、一体感のあるサウンドに仕上げることができました。

●ソーシャルラウンジ:Communication x Creative
エントランスにふさわしい、明るくヘルシーでカルチャー性も感じるサウンド。会話が弾み作業もできる、洗練されたラウンジスペースのための設計。

●バッファラウンジ:Relax x Commuication x Creative
リラックス×コミュニケーション×クリエイティブが重なり合う、自由でフレキシブルなANYZを象徴するサウンド。個にもチームにも、集中したいときにも会話したいときにもフィットする設計。

●ワークラウンジ:Focus x Creative
低音と高音のバランスで集中力を高め、ホワイトノイズが環境の不快なノイズを中和させて集中を遮らない設計。没頭する個人作業に適したサウンド。

●ガーデン:Relax x Communication
気分転換やランチミーティングに適した設計。芝公園の環境音のミックスで、オフィスにいながら自然を感じる、リラックスもリフレッシュもできる心地よいサウンド。

個々が働くリズムをBPMが支える

ANYZのコンセプトを最も強く体現したバッファラウンジには、多様な用途とワークスタイルに調和するサウンドを設計しました。116bpmという集中に適したテンポをベースに、シンコペーションによって、早いテンポでとる人は116bpm、遅いテンポでとる人はリラックス効果がある87bpmで感じとることができ、目的や気分に応じた効果が得られます。
コミュニケーションが盛んになる場所では、中音域の主張をやわらげます。人の声と同じレンジである中音域が豊かすぎると声が聞き取りにくいからです。中音域は少なすぎても会話に積極的になりにくい傾向があるため、絶妙なバランスのコントロールが必要です。ワークスペースにおけるサウンドデザインでは、一見影響がないと思われる繊細な音の設計が打ち合わせやプレゼンテーションのクオリティに影響します。そのため、仕上げはサウンドが実装される環境で会話をすることで課題を抽出し、、論理的に、ときには感覚的に調整をしています。

SOUND COUTUREでは、環境性能に合わせた音源のバランス調整・最適化まで、職人気質を持って取り組んでいます。例えば、一般的なオフィスで採用される天井埋め込み型のスピーカーは非常時のアナウンス用として人の声が通りやすい設計がされているため、低音域はほとんど鳴りません。そんな場合でもあたかも低音域がなっているかのように錯覚するテクニックを使って、空間をまろやかに包み込むような低音域を感じさせます。低音域はあるかないかで居心地に大きな差を生むため、特にANYZのような提案型のシェアオフィスにおいて、この調整の効果が大きく感じられます。
※シンコペーションとは、拍の強弱のパターンを意図的に崩し、弱拍や裏拍を強調するリズム技法。

ANYZだけのオートクチュールサウンド

SOUND COUTUREは、全てのプロジェクトにおいてオートクチュールのサウンドであることにこだわりを持っています。ANYZでは、芝公園や芝浦埠頭で木々のざわめきや鳥の声を収録し、アコースティック×電子音×フィールレコーディング音によるハイブリッドな構成で、ターゲットである「オンもオフも手中におさめた感度の高いビジネスパーソン」に刺さるサウンドを目指しました。

内向的になりがちなワークスペースを、立地エリアのフィールドレコーディング音によって外環境とつなぎ、ビジネスに適した清潔感を持つサウンドと、ソウルやヒップホップのストリートカルチャーのミックスによって、ANYZならではの明朗で色気のある大人なサウンドに仕上がりました。

サウンドデザインが
入居率にもたらす効果

シェアオフィスビジネスでは、完成直後の入居率が成功か否かのひとつの基準になります。ニーズが高まった昨今では、様々なスタイルのワークスペースが提供されるようになりました。そんな中で、SOUND COUTUREがサウンドデザインを手がけたリアルゲイトのシェアオフィスは、初期入居率が高いという結果が出ています。選択肢を持って内見に訪れた人が直感的に居心地の差を感じ、即決につながるようです。
足を踏み入れた瞬間に感じるその差は、ノイズ(エアコンの動作音など)のコントロールと世界観にあります。例えばANYZでは、集中やコミュニケーションを阻害しやすい室内のノイズをANYZが建つ御成門エリアの自然音(ホワイトノイズ)で打ち消す機能を持たせつつ、ターゲットに刺さるテイストを織り込んで設計された大人カルチャーなサウンドが起用されています。

SOUND COUTUREはこれまで、リアルゲイトが運営する7件のシェアオフィスのサウンドデザインを担当しました。 そのそれぞれで、サウンドデザインがもたらす効果のポジティブなフィードバックが得られています。働く環境への意識が多様化し洗練されていく現代において、ワークスペースにおけるサウンドデザインのニーズは日々高まっています。

Team

Sound Direction: Yasuharu Okochi
Sound Design: Amon Chiba

Client

REALGATE INC.

Category

Offices

ANYZ

Offices | 2025

01

Buffer Lounge