料理を全身で味わうための音の設計
2023年、虎ノ門ヒルズ ステーションタワーの最上階(49F)に誕生した複合文化施設「TOKYO NODE」。そのルーフトップガーデンとインフィニティプールに隣接してオープンしたのが、シェフ北村啓太氏が率いるフレンチ・ガストロノミー「apothéose(アポテオーズ)」です。北村啓太シェフはパリで15年にわたり研鑽を積み、ミシュランガイド・フランスで5年連続星を獲得。店名はフランス語で“最高の賛歌”や“フィナーレ”を意味し、自然や生産者の想いを受け継ぎ、料理へと昇華させています。
SOUND COUTUREは、ゲストが五感で「apothéose」を体感できるよう、レストランとエントランスのサウンドデザインを担当しました。




食材を巡る旅から始まるコンセプトづくり
開業準備期間中、北村啓太シェフは各地の生産者を訪ね、使用する食材のルーツを辿る“食材の旅”を敢行。SOUND COUTUREは旅のクライマックスとなる北海道・函館の旅に同行し、海・森・風・動物の音をフィールドレコーディングしました。また、料理のインスピレーションの源と伺った京都・仁和寺にも訪れ、庭園の静けさとそこに響く音を収録。旅を通じてシェフの哲学をインストールし、「料理を支える自然の循環」を音で捉える方針を固めました。






二つの空間、二つのサウンド
49階に到着したゲストを迎えるエントランスでは、仁和寺で録った自然音に繊細なピアノを重ね、ほっと息をつく静けさを構築しました。
また、ダイニングでは北海道で採集した鳥や虫、海、川、備長炭が弾ける音をエッセンスに、生命力あふれる“未完成”のテクスチャを意図的に残したサウンドを制作。






実装と継続的なチューニング
旅から約1か月後に初期音源を実装。その後も光の入り方、調理音、ゲストの会話量などを確認しながら音質・音量を細かく調整しました。完成したサウンドはSNSやシーズナルメニューの動画にも活用され、ブランド体験を多面的に支えています。
SOUND COUTUREは、apothéoseが進化するたびに音も更新するパートナーとして、今も創造を続けています。





