samana hotel Yakushima

屋久島との共鳴を生むサウンド

Year

2024

Category

Hotels

Place

Yakushima Town, Kagoshima

「自然」「人」「文化」の調和を音で引き出す

2024年4月、旧「ホテル屋久島」をリブランドし開業した samana hotel Yakushima。サンスクリット語で「調和」を意味する“samana”のコンセプトのもと、屋久島の大自然・食材・温泉・文化をホテル内に取り込み、滞在が「まるで島と共鳴しているかのような体験」となるよう設計しています。

SOUND COUTUREは、ゲストだけでなくスタッフも含めた“samanaの空間で過ごす全ての人”が屋久島の空気と響き合えるよう、全館のサウンドデザインを担当しました。

Made in Yakushima ── 島の色と音を編む

ホテル前に広がる大海原とモッチョム岳。雄大な景観に呼応する空間デザインに合わせ、SOUND COUTUREは「屋久島の色彩と音」を起点にサウンドを構築しました。

まず、島で撮影した膨大な写真から48種類の“屋久島の色”を抽出し、これらをMIDI信号に変換。そこから導かれた音階を基点として、サウンドの骨格を設計しています。

さらに現地でフィールドレコーディングを実施。波、滝、流木、砂、岩、屋久杉などの自然音や、鳥、猿、鹿、虫など動物たちの声を収録。「人」と「自然」の境界が溶け合うような音を構築しました。

ロビーに響く“調和”のサウンドロゴ

エントランスでは、オリジナルシンセサイザーを用い、屋久島の太陽光と風を音に変換。「Morning」「Daylight」「Sunset」の3パターンを用意し、外と内をシームレスにつないでいます。

ロビーでは、空間を「自然」「人」「文化」の3つの要素を音で表現。
天井からは花崗岩を叩いた音によって「自然」を伝え、 フロントからはピアノやモジュラーシンセで「人」の存在感を演出。 フロント横の本棚エリアでは屋久杉の流木を叩いた音を用い、「文化」の根源的な記憶を呼び起こします。
これら3つの音が重なり合い、ロビーという場に調和をもたらすと同時に、ホテル全体のサウンドロゴとしての役割も果たしています。さらに、音階はすべてのエリアで調和するよう統一され、どこにいても音同士が美しく響き合う構成となっています。

シーンを切り替える時間設計

テラス、レストラン、ラウンジでは、時間帯ごとに音階とテンポを調整することで、空間の過ごし方を自然に誘導しています。

朝のレストランでは、荒川のホワイトノイズや虫・鳥の声を用いて森の奥から聞こえてくるような音環境を構築。人の平常心より少し速い96BPMのテンポが、心地よい目覚めをサポートします。

昼のラウンジでは、鳥のさえずりや森の雫、屋久杉や貝の音によるパーカッションにテナーサックスの音色を重ね、111BPMで最も活動的な時間帯を演出。

ディナータイムは98BPMへとテンポを落とし、食事の時間にふさわしい落ち着きを与えた後、バータイムでは108BPMに再び引き上げ、高揚感を後押しする構成となっています。

ホスピタリティとして機能する音

開業後も実際の来訪者の動線や会話の量に応じて、音量や音質を細やかに調整。空間に馴染むサウンドの効果もあり、レストランの利用率はリニューアル前と比較して1.4倍となりました。

調和というコンセプトを軸に構築されたサウンドロゴと、時間とともに変化する音のレイヤー。SOUND COUTUREのサウンドデザインは、チェックインからチェックアウトまでの滞在体験に自然と寄り添い、空間の“空気”として、ホスピタリティを提供しています。

Team

Sound Direction:
Yasuharu Okochi (SOUND COUTURE)

Sound Design: Amon Chiba (SOUND COUTURE)
Daizen Taguchi (SOUND COUTURE)

Sound System Direction:
Flysound

Client

Hirakawa Corporation

Category

Hotels

samana hotel Yakushima

Hotels | 2024

01

Lobby

02

Lounge

03

Restaurant